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プロ野球球団の決算のヒミツ

2015年04月30日

今回はプロ野球チームを会計面から調べてみたいと思います。公開義務がないため、情報は非常に限定的ですが、可能な限り分析していきたいと思います。

対象となるのはセントラル・リーグとパシフィック・リーグ合わせて12チーム。それぞれの親会社と拠点を置いてある球場を示します。

                                                  
チーム名 運営法人 親会社球場
福岡ソフトバンクホークス 福岡ソフトバンクホークス株式会社 ソフトバンク株式会社福岡ヤフオクドーム
オリックス・バファローズ オリックス野球クラブ株式会社 オリックス株式会社京セラドーム大阪
北海道日本ハムファイターズ 株式会社北海道日本ハムファイターズ 日本ハム株式会社札幌ドーム
千葉ロッテマリーンズ 株式会社千葉ロッテマリーンズ 株式会社ロッテQVCマリンフィールド
埼玉西武ライオンズ 株式会社西武ライオンズ 西武鉄道株式会社西武プリンスドーム
東北楽天ゴールデンイーグルス 株式会社楽天野球団 楽天株式会社楽天koboスタジアム宮城
読売ジャイアンツ 株式会社読売巨人軍 株式会社読売新聞グループ本社東京ドーム
阪神タイガース 株式会社阪神タイガース 阪神電気鉄道株式会社阪神甲子園球場
広島東洋カープ 株式会社広島東洋カープ なしMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島
中日ドラゴンズ 株式会社中日ドラゴンズ 株式会社中日新聞社ナゴヤドーム
横浜DeNAベイスターズ 株式会社横浜DeNAベイスターズ 株式会社ディー・エヌ・エー横浜スタジアム
東京ヤクルトスワローズ 株式会社ヤクルト球団 株式会社ヤクルト本社明治神宮野球場


プロ野球チームの収益構造

まず、プロ野球チームの収益構造を調べてみましょう。入場チケット料と放映権が基本的な収入となりますが、球場収入には3つのタイプに分けられます。

球場を保有している

球場を保有していれば、球場内の飲食店での収益や球場内の広告看板などのスポンサー料が球団の収入として入ってきます。
このタイプは4球団。球場は高額な買い物ですので、長期的な視野に立って球団運営をすると決めている球団と考えられます。最近になって、ソフトバンクが球場保有方針を明確にしました。

阪神タイガース
オリックス・バファローズ
西武ライオンズ
ソフトバンク・ホークス(正式には2015年7月から)

球場を保有せず、営業権も持たない

球団は球場保有会社に使用料を支払います。球場運営に関連する収入を得ることは出来ません。
このタイプは5球団と最も多くプロ野球界の主流と言えます。

読売ジャイアンツ
ヤクルトスワローズ
中日ドラゴンズ
日本ハムファイターズ
DeNAベイスターズ

球場は保有していないが営業権を持つ

近年、球団として黒字化することを目的として、収益の手段が模索されています。そこで球場は借りるものの、球場内の飲食収益や広告料を得られる契約を結ぶ形が増加傾向にあります。借り物でありながら、球団は球場内の改装を含めた顧客サービスにも着手できるため、収入増加策を打ち出しやすくなります。楽天が初年度から黒字にできた要因はこのタイプの契約を球場保有者の宮城県と締結できたこととされています。

3球団ではありますが、球団の収益改善に注目が集まれば、今後の主流になる可能性を持ちます。

広島東洋カープ
東北楽天ゴールデンイーグルス
千葉ロッテマリーンズ

各球団の収益力

【決算チェック】セントラルリーグ編

※株式会社読売巨人軍と株式会社中日ドラゴンズの決算公告は見つかりませんでした。

【決算チェック】パシフィックリーグ編

巨額赤字にならないプロ野球チームならではのカラクリ

決算を並べて見て、率直な感想として想像よりもはるかに各社の利益額が黒字・赤字かかわらず小規模と感じたと思います。筆者もかつて慢性的な赤字体質にあった近鉄球団を親会社が手放したように、プロ野球の運営は巨額の赤字を出している球団が少なからずあるはずと思っていただけに、肩透かしをくらいました。

が、これにはカラクリがあります。実は球団の欠損金(≒赤字)を補てんするために親会社が支出した金銭は広告宣伝費とすることが出来、球団は親会社から埋め合わせに受け取ったお金を売上に計上することが出来るのです。そのため、球団運営による収支が球団の決算書を見ても一部を垣間見ることしかできないのです。

しかし、唯一の例外は親会社を持たない球団、株式会社広島東洋カープです。

今回ではプロ野球チームの収益力分析としては消化不良ですので、次回は様々な資料から広島カープの収益面を調べていきます。

次回に続く

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